(Chapman Stick 通称スティック)

1970年代、米国カリフォルニアのEmett Chapmanによって開発された10弦楽器。音を出すしくみは、エレクトリック・ギターと同じく、コイルのピックアップで弦の振動を電気的に増幅させる。ギターの奏法で、右手で弦をはじかず、弦をフレット上で押さえるときに出る音だけを使って演奏する、「タッピング」という奏法があるが、スティックは、この奏法だけで演奏するために作られている。弦は、高音弦と低音弦と5本ずつに分かれ、ピックアップもそれぞれ独立していて、別々にアウトプットすることができる。音域は、middleCに対して、3オクターブ下のCから、2オクターブ上のEフラットまでと、非常に幅広い。電気楽器ゆえ、音色は加工が容易である。低音弦の歯切れのよいアタック感は他に見られない独特の輪郭を持つため、ベース楽器として使用される例も多くみられる。のちに12弦のものやMIDIアウトを備えたモデルなど、さまざまなバリエーションが開発されている。

 



 

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